にゃんこカプセルなどパーツやおもちゃが登場!

【研究】キャットタワーが猫の肥満予防につながる理由(使い方の提案あり)

キャットタワー

「猫ちゃんの運動不足にキャットタワーを!」と思って購入を検討しているけれど、本当にキャットタワーで肥満が防げるのか不思議に思いませんか?そんな飼い主様向けの内容です。

  • キャットタワーの昇降運動によるカロリー消費量
  • 肥満の予防につながる仕組み
  • 運動量の増える効果的なキャットタワーの使い方例

についてお伝えします。

実はキャットタワーの昇降に必要な運動量は少ない


猫がキャットタワーを登る運動で消費されるカロリーはどのくらい?

猫の消費酸素量を直接測定するわけにもいかず、運動による消費カロリーを正しく測ることは極めて難問です。

乱暴ではありますが、ヒトのデータを参考にしますと、アメリカスポーツ医学会が発表しているデータには、安静時に比べて、階段の下りで3.5倍、登りで8倍ものカロリーを消費するとされています(文献1)。キャットタワーは階段に比べてもっと急ですから、それ以上の運動負荷があると考えられますが、しかし、キャットタワーに登っている時間は、2~3秒、長くても10秒といったところでしょうから、キャットタワーの昇り降りで消費するエネルギー量は、極めてわずかな量でしかないと予想されます。

仮に、体重3キロの猫が、登り・降りをそれぞれ10秒として概算すると、1回に0.24kcal程度。5往復したとしても、1.2kcal程度。猫の1日の消費カロリーは180kcal程度(文献2)ですから、比較して0.7%でしかありません。数字に多少の誤差はあれども、極めて少ないといえます。

それでは、肥満予防のためにキャットタワーを購入するのは間違いなのでしょうか。

運動量ではなく、筋肉と神経への刺激こそが有効

ヒトの生理学で明らかになっているのは、運動による消費カロリーの増加により痩せるのはなく、姿勢の維持などの非運動活動(nonexercise activity thermogenesis)による消費効果の方がはるかに大きく、結果、脂肪の蓄積量が10倍変わってくるということです。(文献3)

モデルさんが細いのは、運動はもちろん、綺麗な姿勢を維持することにもエネルギーをつかっているからですね。

また、肥満に関する「モナリザ仮説」をご存じでしょうか。”Most Obesity Known Are Low In Sympathetic Activity(肥満者の大部分は交感神経の働きが低下している)”の大文字の部分をつなげてMONALISAと呼んだたもので、長年にわたって身体活動が不活発な状態が続くと、交感神経の働きが鈍くなり、摂食量が増え、消費エネルギーも低下して肥満につながるという仮説(文献4)です。運動していないと食べる量が増えるという所が興味深い仮説です。

我々自身が日々の生活の中で、なんとなく実感し、納得感がある結果です。

極めて複合的に働いているので、どういうメカニズムなのか解明には時間がかかるとは思います(文献5)が、筋肉への刺激がないと姿勢が悪くなったり、交感神経への刺激がないと食欲が増したりして、結果的に肥満になるのは、ヒトだけでなく、猫にも当てまると考えて不思議ではありません。

キャットタワーを使った効果的な運動方法とは

では、キャットタワーを使って運動をさせるにはどのようにすれば効果的でしょうか。

もちろん飼い主様が、猫じゃらしを使って登るように仕向けるのはとても良い方法ですが、一緒に遊べる時間には限界があります。

私からの提案としては、キャットタワーに登る動機付けを与えるということです。

例えば、「いつもリラックスできる猫部屋がキャットタワーの上段にある」、「ご飯のお皿が上の方にあるので登らないと食事にありつけない」といった、日頃の生活の中に登ることを組み入れると、自然に猫が登る回数が増えるので、効果的と考えます。動機づけの方法については別の記事にまとめる予定です。

以上、キャットタワーによる運動が肥満の予防になるメカニズムと、キャットタワーを効果的に使う提案でした。タワーだけで十分な運動量になるとは言えませんが、日常的に運動する仕組みがあったほうが肥満を予防できるので、やはりキャットタワーが必要だということです。

なお、弊社のにゃんこタワーはこれらの動機づけを考えた仕組みをオプションとして様々用意しています。これについては別記事でご紹介します。

あなたにおすすめのキャットタワーがわかる「キャットタワー研究所」トップ

————

参考文献

(1) 2011 Compendium of Physical Activities: A Second Update of Codes and MET Values. Ainsworth BE, Haskell WL, Herrmann SD, Meckes N, Bassett DR Jr, Tudor-Locke C, Greer JL, Vezina J, Whitt-Glover MC, Leon AS. Med Sci Sports Exerc. 2011, 43(8):1575-1581.

(2)Hiroshi Sakane Energy Requirement of Dogs and Cats,ペット栄養学会誌,4(2):88-

(3) Levine, J.A., N.L. Eberhardt and M.D. Jensen.1999. Role of nonexercise activity thermogenesis in resistance to fat gain in humans. Science, 283:212-214.

(4) 古瀬充宏・村井篤嗣,イヌとネコの肥満,ペット栄養会誌,2(2),78-86,1999

(5)Richard C. Hill, Challenges in Measuring Energy Expenditure in Companion Animals: A Clinician’s Perspective,The Journal of Nutrition, Volume 136, Issue 7, 1 July 2006, Pages 1967S–1972S