今回のキャットタワー研究所では、賃貸にお住まいの飼い主さんがキャットタワーを使う際のポイントをまとめました。
大型のキャットタワーを賃貸住宅に設置するときに役立つ知識を中心にお伝えします!
賃貸でのキャットタワー設置のポイント
- 善管注意義務を意識する
- 天井に強く突っ張らない
- 住宅計画とセットで考える
善管注意義務を意識する
ペット飼育可能な賃貸物件は、多くの場合敷金が1か月分高めに設定されていたり、賃料が数千円~1万円程度高くなっていたりします。その分多く払っているので、退去するときには多少痛んでいても大丈夫だろうと期待してしまいますが、大家さんが多めに見てくれることはあっても、法的には原状回復の必要性はあります。
ただし、ペット不可の物件と同じで、通常の使い方で痛む分は家賃に含まれています。
キーワードは「善管注意義務」です。これを違反する程度になると、請求されることがあります。
例えば、虫ピンや画鋲で刺した程度の穴ならば通常は問題ないようです。一方、下地の石膏ボードなどに大きな穴が開くと問題になります。
ホームセンターなどでは、虫ピン程度で設置できる棚が販売されており、これを使ってキャットタワーにするのも方法なのですが、これらの棚は耐荷重が2~3キロですので、本当に子猫さんの間だけになってしまいます。
大工さんに頼んでキャットタワーや、キャットウオークを据え付けたり、大掛かりなDIYしたりするのは、賃貸では難しい面もあります。
キャットタワーを天井に強く突っ張らない
それでもキャットタワーを建てたいのが飼い主さんの心情です。
ネジや釘、接着剤で家と強く繋がれないという制限の中で、キャットタワーを建てなければいけません。特に大型のキャットタワーをどのようにして倒れないようにするかがテーマとなります。重心を下げることはもちろんですが、基本は「突っ張り機構」によって、キャットタワーを固定するしかなくなります。
この際のポイントは、「天井に強く突っ張りすぎない」ことです。
天井は皆さんが思っているよりも弱いです。厚さ9mm程度の石膏ボードの天井に、しっかりとしたアジャスター付きキャットタワーの突っ張りをグルグル伸ばして突っ張り過ぎると、意外に簡単に天井の板が割れてしまいます。
一番良いのは、天井ではなく、梁や桁に突っ張ることです。梁や桁は建物を支える大事な構造体なので、強固な素材でできていますので、キャットタワーが突っ張っても大丈夫です。
(梁や桁を石膏ボードで覆い、隙間がある場合もありますのでご注意ください)
天井に程よく強く突っ張れたとしても、長年突っ張り続けると、クロスの表面の模様が「つるっ」とアイロンを当てたように、消えてしまうことがあります。クロスの張り替えを、壁だけにとどめられると敷金が戻る割合が上がるかもしれません。そこで念のため、耐震ゴムマットを挟みましょう。もちろん柔らかいものを間に挟むということですので、突っ張り力は低下します。
すなわち、しっかりと突っ張っていないと立てない、二本足のキャットタワーは賃貸には不向きであると考えます。
キャットタワー購入時は住宅計画とセットで考える
最後にお伝えしたいのは、何年その賃貸の住宅に住む計画なのか、一度考えていただきたいということです。特にDIYでタワーを作る場合は、せっかくピッタリのキャットタワーを作ったのに、次の賃貸の住宅では使えないとなるとコスト的にも労力的にも大変です。私が「moftechにゃんこタワー」で組み換えができるように開発したのもその理由です。
また、国土交通省住宅局が出している、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によりますと、6年で壁紙の価値は1円になります。6年以上同じところに住むのならば、壁紙の交換費用について差はなくなります。永く住むなら自由度は上がりますね。
ペット不可の賃貸住宅で、猫を飼いたいと考えているなら、思い切ってペット可の賃貸住宅に引っ越す選択をおすすめします。キャットタワーの跡だけでなく、退去時に見つかると、かなり高額な費用を請求されがちです。
以上、キャットタワーを賃貸の住宅に建てるポイントについてお伝えしました。実は筆者も賃貸で猫と暮らしております。「猫と暮らすことは、通常の利用の範囲内である」と言いたいのですが、まだまだ社会は追い付いていないようです。
人口が減る日本ですから、これからは、きっとペット可の賃貸物件が増えてくると予想されます。あまり負担感なくペットと賃貸の住宅で暮らせる日が来て欲しいと期待しています。
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