【要注意】キャットタワーと素材に関するチェックポイントのまとめ

布製に木製、アクリル製などキャットタワーの素材はさまざまです。消耗品のように毎年買い替える必要のある物なら、耐久強度は意識しなくてもいいので、素材はあまり気にすることもないですが、そうではなく、猫の一生にわたってキャットタワーを使いたいと考える飼い主さんも多くいるでしょう。

今回のキャットタワー研究所では、うちのにゃんこには何を選ぶのがベスト?何を基準に選べばいいか知りたい、という飼い主さんに向けて、素材の観点から長持ちするキャットタワーを判断するポイントをお伝えします。

キャットタワーの素材の観点からの確認ポイント

  • 板材の種類
  • 柱の根元の蓋部分
  • ホルムアルデヒド蒸散量(スターの数)

キャットタワーの素材表示をチェック

購入予定のキャットタワーの素材表示を探してください。次のいずれかの可能性が高いです。

MDF・・・繊維レベルまで細かくして接着剤と圧力で固めた板

パーティクルボード・・・数ミリの大きさの木片を接着剤と圧力で固めた板

OSB・・・数センチ~20センチ程度の大きさの木片を接着剤と圧力で固めた板

合板・・・木をかつら剥きして、繊維方向を直角に接着剤で貼り合わせたもの

ランバー・・・角材を接着剤で貼り合わせたもの

無垢板・・・そのまま切り出した木材

下に行けば行くほど板を構成する原材料が大きいイメージです。MDFやパーティクルボードは木材としては使えない小さいサイズの木っ端や、古い木材を再生利用したものです。いずれの素材の板も割れに対する強度は十分ありますが、力が一点に集中した場合の強さは、繊維が細かければ細かいほど弱くなります。キャットタワーの場合、柱と板の接合部がそれに当てはまります。釘やネジで板に固定している場所に、猫が往復して何度も力がかかると、釘周辺の1~2ミリの繊維がボロボロと崩れて、穴が大きくなってしまい、ネジの機能を失います。

最終的には柱が根元から外れてしまうということがあります。ネジを直接板に打ち込んでいるキャットタワーは今では少ないと思いますが、間にプラスチックの補強板を挟んでいる場合も同じで、補強板の素材は何か、補強板と板を繋いでいるネジが十分な本数で止められているか確認しましょう。

キャットタワーの柱の根元をチェックする

壊れたキャットタワーを見せていただくと、ほとんどの場合、柱の根元が折れています。多くのキャットタワーの柱の素材は、紙管といい、食品用ラップやトイレットペーパーの芯のようなものでできています。キャットタワーに使う紙管は、ラップの芯よりもっと太く厚いものですので、これ自体の強度は十分あります。

ただし、紙管も先ほどのMDFやパーティクルボードと同じで一点に繰り返し力がかかると脆く、さらに紙管は文字通り管ですから、必ず蓋がされています。紙管と蓋の接合部分が構造上の弱点で、ここに注目してください。

三本以下のねじ止めは避けた方が無難です。また、蓋自体が割れると柱が折れますので、蓋も十分な強度がある素材か、(一般の方には難しいかもしれませんが)見ておけると安心です。

できればF☆☆☆☆であるかチェック

強度とは関係ない素材の話ですが、猫も飼い主様の健康を考えて、より安全な接着剤を使っているタワーにしましょう。星の数で表現している指標があり、星4つが最上位です。キャットタワーに使う材料は、F☆☆☆☆一択です。それ以外を選ぶ理由はありません。フォースターであることを確認してください。

もう少し書きますと、シックハウス症候群や化学物質過敏症と言われ、揮発性有機化合物(VOC)が人間の健康に悪影響を与える事例が問題となり、対策が取られました。特にホルムアルデヒド(昔はホルマリンと言っていました)の放散量に対する規定です。

日本工業規格JIS A5905より抜粋

4) ホルムアルデヒド放散量による区分 ホルムアルデヒド放散量による区分は,表6による。

表6−ホルムアルデヒド放散量による区分

ホルムアルデヒド放散量

区分      記号      平均値     最大値

F☆☆☆☆等級 F☆☆☆☆   0.3 mg/L以下   0.4 mg/L以下

F☆☆☆等級  F☆☆☆    0.5 mg/L以下   0.7 mg/L以下

F☆☆等級   F☆☆     1.5 mg/L以下   2.1 mg/L以下

いまやほとんどの素材はF☆☆☆☆が実現できているはずですが、海外から輸入されている商品などは、同等の基準を満たしているか、メーカーに問い合わせると安心です。

以上、キャットタワーの素材の観点からチェックするポイントについてまとめました。そもそも運動不足解消など健康を意識して購入することの多いキャットタワーで、ケガをしたり健康を害したりするのは避けたいですから、購入前にきちんと確認しておきたいですね。