about Silvervine Cat Kingdom

皆様は、シルバーバインにゃんこ王国をご存知でしょうか?

にゃんこタワーについてお伝えするのに加え、私たちの故郷についてもご紹介したいと思います。申し遅れました。私は第8代目エンジニャンコのにゃんたまです。

にゃんこタワーの設計者

雄大な山脈、豊かな水量を誇る透明な河と、広大なまたたびの畑。シルバーバイン地方は、自然に囲まれた恵み豊かな地域です。その中でも最も林業の盛んであり、そして歴史のある王国、シルバーバインにゃんこ王国には、多くのにゃんこが平和に暮らしています。

この国では、子にゃんこが産まれたとき、健やかな成長を祈ってタワーを贈るという文化があります。100にゃんシルバー紙幣の顔として良く知られている、シルバーバイン16世が、功績のあった部下に褒美としてタワーを贈ったことが始まりとされています。

にゃんこタワーの国の国王

100にゃんシルバー紙幣(みほん)

この度、遠く日本で暮らしているにゃんこから、こちらではきちんとした木製のタワーが手に入り難いとの報告を受けました。人の国で頑張るにゃんこにも、シルバーバイン品質のタワーを使って欲しい。その想いでにゃんこタワーを作っています。

 


 

昔話「にゃんこの見張り台」

え:たぐち ますみ

 

ずっとずっと昔のこと、シルバーバインという国がありました。

そこの王様に仕える優秀なエンジニャンコ(工学技師)がいました。

「王様、ご指示があると聞き、まいりました。」

すると、心配そうに王様が言いました

にゃんこタワーの国王から

「おお。エンジニャンコ殿。よく来てくれた。

じつは妻の妹の家に赤ちゃんネコが産まれたのだが、病気がちでね。

医者も原因が分からないと言っておってな、困っておる。

祈祷師に聞いてみると、

魔女が呪文を聞かせているかもしれんのじゃよ。

伝説によると、赤ちゃんの命を吸い取る呪文があるらしい。

しかも1歳になるまでに呪文を300回聞かせると、体力がなくなって死んでしまうとな。

びっくりして、あわてて門番をつけたのじゃが、見つけられん。

祈祷師の言う伝説が、本当か分からんが、とにかく出来ることはしてあげたくてな。

赤ちゃんを助ける良い知恵はないだろうか?」

王様は心配そうです。

 

「わかりました。一生懸命赤ちゃんをお守りします。」

そうして、エンジニャンコは赤ちゃんの部屋に行くことにしました。

 

にゃんこタワーの赤ちゃん

その日の夜、月が登ってきた頃、魔女が赤ちゃんの部屋の窓からのぞいています。

「おや、今日は見張りがいるね。 あやつに見つからないようにして、赤ちゃんに近寄らないとね。」

そういって魔女は小さなネズミに変身して、天窓の隙間から入って行きました。

 

エンジニャンコは子守唄を歌っています。

「ふふふ。かわいい寝顔ですね。

昔から、シルバーバインに伝わる子守唄を歌ってあげますね。

 

♪ねむれ ねむれ

月の窓から おぼろげに

ねむれ良い子は ゆめのなか

 

ねむれ ねむれ

えんとつもぐって まっくろけ

ねむれ良い子に おくりもの

 

ねむれ ねむれ

扉をあけたら さむい風

ねむれ良い子よ おきないで♪ 」

 

今日は月がきれいだなぁと、エンジニャンコが見ているすきに、

ささっと魔女ネズミが赤ちゃんのベットの下に入ってしまいました。

 

でも、久しぶりに ネズミに変身した魔女です。

いつもよりしっぽを長くしてしまいました。

しかも少しだけベットの影から出ているではありませんか。

「ん。ねずみがいる?」とエンジニャンコがついつい、いつものくせでひっかくと、

「ギャー!」と魔女に姿を変えて逃げ出して行きました。

 

魔女が他の動物に姿を変えられることを知って、エンジニャンコもびっくりしましたが、

とにかく追い払うことができてホッとしました。

 

いっぽう、魔女はたいそう悔しがっていました。

「ネコが見張っているのにネズミに変身したあたしが馬鹿だったね。

次はあのネコに見つからないように、コッソリ赤ん坊に近づかないとね。」

 

次の日、今度はクモに姿を変えて、煙突から入っていきました。

星がまたたくころ、エンジニャンコが眠い目をこすりながら見張りをしていると、

ツーと天井からクモが糸を垂らして近寄ろうとしているではありませんか。

にゃんこタワーの国をまもる

「見つけたぞ!クモに化けた魔女め!」

糸を爪で切るとクモは落ち、また魔女の格好にもどってあわてて逃げて行きました。

 

エンジニャンコはまた魔女を追い出すことができました。

「ふふふ。赤ちゃん、ゆっくり寝てくださいね。僕がついている限り安心ですよ。

いつものとおり、子守唄を歌ってあげますからね。」

 

でも、本当はエンジニャンコは少し心配でした。

いつまでも見張りを続けられるか、わからないからです。

なんとかして魔女をつかまえないといけません。

 

いつものように子守唄を歌いながら考えました。

「♪ねむれ ねむれ 月の窓から おぼろげに ・・・」

その時、エンジニャンコはあることに気づきました。

「ふふふ。そういうことですね・・・」

 

 

さて、家に帰った魔女は、もう怒りがおさまりません。

「明日こそは呪文を聞かせないと。

3日もあいてしまうと、あたしも変身する元気すらなくなってしまうよ。」

 

さらに次の日は、ムカデに変身して、玄関のドアのすき間から入って行きました。

でも、驚くことに、ドアのすぐ前にエンジニャンコがいるではありませんか!

 

逃げ足の速い魔女も待ち構えていたのでは逃げられません。

ついに捕まえられてしまいました。

 

「ようこそ魔女さん。玄関から来ることは分かっていました。

あの子守唄は、魔女の変身のしかたを歌にしたものだったのですね!」

 

 

 

翌朝、エンジにゃんこは王様に、網に入った魔女ムカデを見せました。

やさしい王様は、魔女に二度と赤ちゃんに近づかないことを約束させて

家に帰してあげました。

 

エンジにゃんこは王様に言いました。

「王様、もしかしたら、魔女がいつかまたやってくるかもしれません。

奴はネズミにもクモにもムカデにも姿を変えて近づいてきます。

いつクモがきても糸を切れるように、天井まで届く見張り台を作りましょう。

その下に赤ちゃんのベッドを置き、

ねずみが越えられないように、足の途中に板を垂直につけてください。

さらに、お城の南の森の木で作れば、その香りでムカデになった魔女も近寄ることはできないでしょう。」

そうして、王様はすぐに見張り台を作らせました。

 

念のためエンジニャンコは毎日赤ちゃんの部屋にいましたが、

それからというもの、魔女は近寄ることができなかったのか、

それとも改心したのか分かりませんが、二度と現れることはなく、

赤ちゃんは元気にすくすくと育ちました。

 

そうしてさらに数か月が経ったころ、王様から声をかけられました。

「エンジニャンコ殿。赤ちゃんも無事、元気に大きくなって、一歳の誕生日を迎えることが出来た。

あれ以降、魔女は現れず、もう大丈夫だ。

本当に、エンジニャンコ殿のおかげじゃよ。

そなたはもう一生分の仕事をした。あとはゆっくりと過ごしてくれ。」

 

そう言って、ご褒美として、守護騎士の称号と、一生暮らせるだけのお金、

そして記念に王家の紋章が入ったりっぱな見張り台をくれました。

にゃんこタワーをもらう

その後、エンジニャンコは戴いた見張り台の一番上に座って、

赤ちゃんを見張っていた日のことを思い出しながら、

毎日ゆっくりと過ごしましたとさ。

 

今でも、ネコが眠そうに高いところに登っていたら、

ネズミやクモやムカデを捕まえようとしていたら、

それは魔女から赤ちゃんネコを守ろうとしているのかもしれませんね。

 

おしまい

 

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